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  • 三宅 玲子

新聞と郵便

2020.05.15

連載している「たたかう『ニッポンの書店』をさがして」のデスクから、スマートレターで郵便が届きました。

原稿を書くのが速いことで知られるジャーナリストのその人は、今、新しい本の原稿にとりかかっていると聞いていたので、もう本が仕上がったのね、と開けてみると、出てきたのは日経新聞の紙面。

小さく折りたたまれちょっとシワの寄った新聞紙には小さなポストイットのメモ。

  持ってるかもしれませんが…。たまたま見つけたのでおくります。

日曜版で書店の特集が組まれていて、連載の参考になるだろうとの配慮でした。

もちろん、ありがたかったのですが、それ以上に、わざわざ実物を郵便で送るという手間をかけた行為がなんだか愉快です。

普段、毎月海外にも出張し、軽々と飛び回るように国内外を取材しているデスクは、デジタルデータをくまなく使いこなす人です。

新聞記事をオンラインで送ってくれることだって簡単ですし、そうでなくても、スマホで画像を撮ってメールで送ってくれれば済むこと。

コロナ禍で世の中がオンラインに過剰なくらいに適応している今、ネットで済むところをわざわざ郵便で送ってくれたそのひと手間に、連載を大切に思ってくれているデスクの厚情を感じたといえば言いすぎでしょうか。

zoomで会わずに済むようになったと盛んに言われますけれど、人間という生き物は会って気配を感じて触ってわかり合う、視覚と聴覚だけでは済まないコミュニケーションで関係性が成り立っていて、それはzoomでは代わりが効かないのではないかと思います。

手紙もそれと似ているように思います。 とりわけこの時節です。

もちろん、原稿にはますます力が入るに決まっているわけで。